キラメン料理人

鈴木 健一 ラベンダーキッチン 自由が丘 オーナーシェフ

鈴木 健一 ラベンダーキッチン 自由が丘 オーナーシェフ

Scene.1 独立は些細なきっかけ。

- ご経歴を教えてください。

和食のお店で6年調理を行っていました。その後、大手出版社に約20年勤務しテレビジョンや北海道ウォーカーの編集長を経験しました。また、その出版社時代には1994年にTVチャンピオン北海道味覚王選手権で優勝をしました。2014年に独立し、吉祥寺でラベンダーキッチンをオープンし、翌年に自由が丘に移転して現在に至ります。

- いつから独立を意識し始めたのですか?

2013年ごろから独立を考えていました。北海道に住んでいた時に自宅の隣がスープカレー屋で良く行っていたんです。東京に転勤になってから東京のスープカレー屋に行きましたが、美味しいと思うスープカレーはありませんでした。それだったら、自分で作ろうと思ったのです。 自分で作り始めると、昔に飲食店で働いていたこともあって楽しかったのです。もともと定年を迎えたら飲食店をやろうと思っていたので独立を考えました。開業支援をしている企業がいくつかある中で、リスクが一番少ない方式があったので、問い合わせたのが今お店をやっているきっかけです。

- 不安があったと思いますがどう乗り切りましたか?

開業前より後の方が不安でした。オープンして間もなく、飲食ビルで一緒にオープンした他のお店が相次いで閉店していったのです。思ったよりお客さんが入らなく、不安がありました。 ただ、私は長くお店を続けたい気持ちが強かったので、すぐに見切りを付けたくなかったのです。 そこで、色々な販売促進を実施しました。出版社に居たので企画をするのは得でした。28日はニワトリの日だそうなので、チキンの日を作って割引により集客を図りました。

- 開業後に苦労したことはありますか?

時間のやりくりに苦労しました。オーナーシェフなので、営業中は厨房・ホールばかりで、販促物や内装の装飾などを見に行く時間がありませんでした。始めの1年間は正月とインフルエンザにかかった2日しか休めませんでした。自由が丘に移転してからも、不安があったので10ヶ月は休めなかったです。

Scene.2 自分がやりたいことを押し通してはいけない。

- 普段悩むことはありますか?

昨年(2015年)の10月くらいまで反省するところがありました。個人店などでは味はもちろんですがオーナーシェフにつくお客さんが多いと感じました。 会話をしコミュニケーションすることを増やしたら常連が大きく増えたと感じます。 介入するさじ加減は難しいですが、職人というほど技術は必要ないので、企画力が必要だと考え、 スープカレーやダッチオーブンを使って他店との違いを出しました。 また、今まで出版社にいた経験から1000件のお店を見て来たので、いいなと思うお店を真似たりできることが強みです。

- 独立されて自分が変わったなぁという思うところはありますか?

お客さん第一と考えられるようになりました。出版社のときはお客さんは読者ですが直接対話できる関係ではありませんでした。出版社が居ないと本を出せないので、自分の立場が強いという考えがありました。しかし、飲食店はお客さんと直接対話することになるので、自分より相手を立てなくてはいけないというサービス業の意識を、ここ1年くらいで感じるようになりました。

- 経営者として大切にしていることはありますか?

お客さんと接することを大切にしています。ある飲食チェーンの社長が1分でも長くお店に居てお客さんと対話したほうがためになる、という話をしていたことに共感しました。個人店のこの規模だからできることだと思います。

- 新メニューの開発はどのように行っていますか?

全体のメニューバランスを見て、要らないメニューは排除しています。 新メニューをまずはブラックボードに書いて反応を見て、それが好評ならばレギュラーメニューにしていくという風に行っています。 本当はもっとメニュー替えを頻繁にしたいとは思っています。流行ものはやりたいが設備の関係もあるので、やれることをできるだけやっています。

Scene.3 程良い距離感が良い関係を生む。

- やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?

常連客が、「また明日来るね」と言ってくれた時です。翌日ももちろんのこと、週5回通ってくれることも有ります(笑)。

- お客様や従業員とのコミュニケーションで大切にしていることはありますか?

お客様には笑顔に接することを大切にしています。無理やりにでも作れるようになりました。「ありがとうございます」を元気に言うのは当たり前ですが、笑顔で言うのと言わないのではお客様の反応が全く違います。 従業員には、世間話や学生のアルバイトの子だったら、遅番だった際に「明日学校は大丈夫?」と声をかけたりしています。 経営者によって、上下関係をきっちりする人や逆にフレンドリーに接する人など考え方は色々ありますが、私はその中間くらいでうまく接していると思います。

- 店名の由来は何ですか?魅力は?

北海道を連想させる名前が良かったので、誰もが北海道と連想できるラベンダーを使いました。スープカレーは女性に好きな人が多いので、女性のイメージに合う名前ということも考えて付けました。

- 今後の目標や展望を教えてください。

中期的には3店舗に増やしたいと考えています。同じジャンルには限りません。 長期的には店を続けていくことを目標にしています。

- これから開業する方へメッセージをお願いします!

自分が…よりも、お客様が何を求めているか、どうお客様のニーズに合わせていくかを考えるのが重要です。このさじ加減が続けていくための秘訣だと思います。

『チャンスが二度、扉を叩くなどと考えてはいけない』

セバスチャン=ロッシュ・ニコラス・シャンフォールという18世紀フランスの詩人、劇作家の言葉。 チャンスがもう一度来るとは限らないので、後悔しないようにチャレンジしたいという気持ちを鈴木さんは常に持っているそう。