-
飲食店の運営
飲食店における人件費の目安とは?失敗しないコスト最適化の方法を詳しく解説

飲食店経営において、人件費は売上の大きな割合を占める重要なコストです。人件費が高すぎると利益が圧迫され、低すぎるとサービス品質や従業員満足度に影響が及ぶため、適切なバランスで管理することが求められます。それでは、経営上のリスクやトラブルを防ぎつつ、人件費を最適化していくにはどうすればよいのでしょうか。
この記事では、飲食店における人件費の目安とともに、失敗しないコスト最適化の方法を詳しく解説します。人件費の抑制は短期的には利益を生む一方で、現場に過度な負担を強いる恐れがあるため、安易な削減に踏み切らないことが重要です。
人件費とは
人件費とは、企業や店舗が事業を運営するうえで必要となる「人材」に関わる経費全般を指します。従業員の労働に対して支払われる給与のほか、賞与や福利厚生費、教育・研修費、退職金なども含まれます。一般的には「固定費」として扱われますが、繁忙期の対応で一時的に人員を増やす場合など、売上や状況に応じて柔軟に変動できる側面もあります。
飲食店においては食材費と並ぶ大きな経費であり、人件費の内訳や比率を正しく把握・管理することが健全な店舗経営につながります。適切な人件費管理は、過剰なコストを抑えて利益を確保するとともに、サービス品質の維持やスタッフの働きやすさにも寄与します。
人件費に含まれる項目
飲食店の人件費に含まれる主な項目を下表にまとめています。
項目
詳細
所定内賃金
毎月支給する基本給・手当(役職手当や通勤手当など)
所定外賃金
時間外手当、深夜勤務の割増賃金、休日出勤手当など
賞与・一時金
給与とは別に支給する報酬
福利厚生費
社会保険料、社員食堂、社員旅行、特別休暇など
研修・教育費
従業員のスキル向上や資格取得のための費用
退職金
退職金制度に基づく一時的な賃金
飲食店における人件費率の目安
飲食店の人件費率は、一般的に「30%前後」が目安とされています。
ただし、店舗の規模や業態によって適切な人件費率は異なるため、この数値はあくまで目安として捉えるようにしましょう。
人件費率とは、売上高に対する人件費の割合を示す指標です。
【計算式】人件費 ÷ 売上高 × 100(%)
例えば、ある飲食店の月商が200万円で、人件費に60万円かかっている場合、このお店の人件費率は以下のように算出できます。
【計算例】60万円 ÷ 200万円 × 100 = 30%
人件費とFLコストの関係
FLコストとは、食材費(Food)と人件費(Labor)を合わせたコストのことです。これらは飲食店の経費の大部分を占める重要なコストであり、経営者には売上高に占めるFLコストの割合、つまり「FLコスト比率」を常に把握し、適正化することが求められます。
飲食店におけるFLコスト比率の適正値は「60%」といわれています。先述したように、人件費率の目安は「30%」であるため、食材比率・人件費率ともに30%程度に収めるのが理想のFLコスト比率と考えられます。
ただし、実際には業種や業態によってバランスは異なります。例えば、食材費率が20%と低い業態であれば、人件費率が40%になってもFLコスト比率は60%に収まるため、健全な経営ができているといえます。このように、人件費と食材費を個別に見るのではなく、FLコスト全体で管理することが重要です。
飲食店の人件費を最適化する方法

-
飲食店経営においては、人件費を抑えつつサービスの品質やスタッフの定着を維持する工夫が欠かせません。顧客に提供する価値を保ちながら、自店の人件費を最適化するには以下のような方法が考えられます。
- ・人員配置の見直し
- ・オペレーションの改善
- ・システム導入による効率化
- ・スタッフ教育によるスキル向上
- ・業務委託の活用
これらの方法について以下で詳しく解説します。
人員配置の見直し
飲食店の忙しさは、曜日や時間帯によって波があります。ランチやディナーのピーク時には十分な人数のスタッフを配置する必要がありますが、ピーク時以外のアイドルタイムでは、少ない人数でも問題なく対応できるケースが多いでしょう。
こうした変動に合わせてスタッフのシフトや勤務時間を調整すれば、一人ひとりに過度な負担を強いることなく人件費を抑えられます。さらに、スタッフの適性に応じた人員配置を行うことで、業務効率やモチベーションが高まり、残業時間の抑制につながる効果が期待できます。
オペレーションの改善
飲食店の現場では、既存のマニュアルが形骸化し、スタッフそれぞれが独自のやり方で作業を行うことも少なくありません。その結果、無駄な動きや重複作業が生じ、非効率なオペレーションになっていることがあります。
人件費を抑制するためには、現行の業務フローや手順を見直し、オペレーションを最適化することが重要です。無駄な作業が減れば、ミスや手戻りの削減、業務効率の改善につながり、少人数でもスムーズに業務を回せるようになります。新人・ベテランにかかわらず、誰もが一定の基準で業務を遂行できるよう、作業手順やマニュアルを標準化することが大切です。
システム導入による効率化
顧客からの予約や注文、売上集計、在庫管理などを手作業で行っている飲食店では、これらの作業にシステムを導入することで、スタッフの負担を大幅に軽減できます。飲食店においては、以下のようなシステムが業務の自動化・効率化に効果的です。
システム
用途
予約管理システム
電話・Webからの予約受付やキャンセル状況の確認
ハンディターミナル
客席での注文入力やオーダー状況の確認
POSレジ・POSシステム
会計処理や売上集計
在庫管理システム
食品・備品の在庫確認や自動発注
勤怠管理システム
勤務時間の集計や残業・休暇の管理
システム導入には初期投資が必要ですが、長期的に見れば人件費削減と業務効率化の両面での効果が期待できます。
スタッフ教育によるスキル向上
飲食店の人件費を抑えるには、スタッフのスキル向上も欠かせません。全員が一定のクオリティで作業できるよう、現場に即した手順書やマニュアルの整備、ベテランスタッフによるOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)やロールプレイングなど、計画的な教育・指導を行うことが重要です。
スタッフのスキルが向上すれば、顧客に提供するサービス品質も高まり、売上やリピート率に好影響を与えます。また、教育体制が整っている飲食店はスタッフが働きやすく、高い定着率が期待できるため、新しい人材の採用・育成コストの削減にも寄与します。
業務委託の活用
飲食店で発生するすべての業務を店舗スタッフだけで対応している場合は、清掃や調理補助など一部の作業を外部に任せることで、自店での雇用コストを削減できる可能性があります。また、現場管理の手間をなくして経営のみに集中したい場合は、店舗運営そのものを信頼できる第三者に委託するという方法も考えられます。
業務委託を活用すると、採用・育成コストをかけずに、飲食店経験者のノウハウをすぐに活かせるという利点があります。具体的なメリットや雇用との違いについては以下の記事でも詳しく解説していますので、本記事とあわせて参考にしてください。
関連記事:飲食店が業務委託をするメリット・デメリットとは?雇用契約との違いを詳しく解説
新しい飲食店の運営を提案する「店タク」では、飲食店オーナーが独立志向のある職人に店舗運営を委託することを推奨しています。エリア・業態・売上目安などから、お店の現状や条件にマッチするベストパートナーを見つけることができます。
安易な人件費削減が招くトラブル例
人件費を抑えることは経営改善に有効ですが、安易に削減を進めるとさまざまなトラブルに発展するリスクがあります。
ここで言う「安易な人件費削減」とは、短期的にコストを減らすことだけを考え、長期的な経営への影響を考慮しない削減方法を指します。例えば、忙しい時間帯でも最小限のスタッフで回す、十分な教育や研修を行わずに現場に出す、福利厚生を極端に縮小するなど、現場で働くスタッフに大きな負担を強いるような方法がこれにあたります。
具体的にどのような事態が起こり得るのか、飲食店において安易な人件費削減が招くトラブル例を3つ紹介します。
現場の負担増によるミスや事故の発生
-
人件費を無理に削減することは、現場のスタッフに過度な負担を強いることに直結します。人手不足の状態で業務を回そうとすれば、一人あたりの作業量が増え、注文ミスや配膳の取り違え、衛生管理の不備などが発生する可能性が高まります。さらに、包丁や火器による切り傷・やけど、ホール内での転倒による負傷といった労働災害を引き起こすリスクもあります。
こうした事態を防ぐには、適切な人員配置や業務効率化の取り組みが欠かせません。現場の負担を増やさずに、少人数でも安全かつ効率的に業務を遂行できる体制を整えることが重要です。
サービス品質の低下によるクレーム・顧客離れ
-
安易な人件費削減は、スタッフの負担を増やすだけでなく、顧客に提供するサービス品質にも悪影響を及ぼします。人件費を削ったことで人手やスキルが不足すると、料理の提供が遅れたり、オーダーミスが多発したり、味や盛り付けにばらつきが出たりと、サービス品質に直結する問題が起こりやすくなります。
こうした状況が続けば、顧客満足度は著しく低下し、クレームの増加やリピーター離れにつながります。当然ながら売上にも大きな打撃を与えてしまい、本来のコスト削減効果は帳消しになるどころか、かえって経営悪化を招きかねません。重要なのは「削減」ではなく「最適化」であり、オペレーションの改善や教育体制の強化によって、効率的な運営とサービス品質の維持を両立させることが求められます。
スタッフのモチベーション低下と離職リスクの増大
人件費を抑えるために無理なシフトや過重労働を求めたり、反対に極端にシフトを削ったりすると、スタッフの働きがいやモチベーションは低下します。特に、長時間労働は疲労やストレスの原因となり、心身の不調や労災リスク、さらには長期休職や離職につながる恐れがあります。これを防ぐには、需要に応じたシフト管理や個々の適性に合わせた配置、さらには一部業務の外部委託などを取り入れ、スタッフが安心して働ける環境を整えることが重要です。
人件費を抑えつつ従業員満足度を維持する仕組みづくり

-
飲食店経営において、安易な人件費削減はスタッフのモチベーション低下につながるリスクが高く、結果としてサービス品質の低下や離職率の上昇を招く可能性があります。そもそも人材がいなければ経営自体が成り立たないため、現場の状況や負担を無視した強引なコストカットは絶対に避けるべきです。
飲食店が人件費の抑制に取り組むうえでは、まずスタッフが働きやすい環境や体制を整えることが前提となります。無駄を省いた効率的なオペレーションやシステムによる作業の自動化に加え、透明性の高い評価制度やインセンティブの導入、個々のスキルアップを後押しする教育・研修機会の提供など、スタッフの負担軽減とモチベーション維持を両立させる施策が求められます。
こうした取り組みはスタッフの定着を促進し、業務効率やサービス品質の向上にも寄与します。その結果、無理のない人件費の最適化が可能となり、安定した経営基盤の構築につながることが期待できます。
まとめ
飲食店の人件費率は「30%程度」が目安とされ、店舗にとっては食材費と並ぶ大きなコストとなります。人件費率が高い場合には、利益率の低下や設備投資への資金不足などが起こりやすい一方で、安易な削減はスタッフのモチベーションやサービス品質を低下させ、さらには離職増加や顧客離れのリスクを高める可能性があります。人件費の節約は“短期的なコストカット”に走らず、現場の状況やスタッフの働きやすさを考慮し、慎重に対応していくことが重要です。
店タクは飲食店オーナーが抱える店舗運営の悩みを「職人と組む」ことで解決するサービスです。人件費が経営を圧迫しているなら、信頼できる第三者に店舗運営を委託する選択肢もぜひご検討ください。
-
-
飲食店の運営
飲食店売却の基本|種類・相場・閉店手続き・注意点をわかりやすく解説

飲食店を手放したいと考えたとき、今後の選択肢の一つに「売却」があります。売却手続きを進める際は、一般的な価格相場や手続き上の注意点を理解しておくことが、後々のトラブルや損失を防ぐことにつながります。
この記事では、飲食店売却を考えているオーナーが押さえておくべき基礎知識を解説します。売却の種類や相場、手続きの流れを把握し、計画的に準備を進めましょう。
飲食店売却の種類とメリット・デメリット
飲食店を売却する方法には、大きく「居抜き売却」と「M&A(事業譲渡/株式譲渡)」の2種類があります。どの方法が適しているかは、店舗の状況や売却の目的によって異なります。まずは、それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分のケースに当てはめて考えてみましょう。
居抜き売却
居抜き売却とは、店舗内の設備や内装を残したまま、居抜きの状態で次の経営者に引き継ぐことです。個人経営の飲食店では一般的な売却手段であり、コストを抑えながら店舗をスムーズに引き渡すことができます。
居抜き売却のメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット
- ・設備の処分費や原状回復工事費を抑えられる
- ・引き渡しの直前まで営業を続けられる
- ・造作譲渡料を得られる
居抜き売却では設備や内装も丸ごと引き渡すため、売却前の解体工事が必要ありません。これにより撤退費用を抑えられるほか、手続きが行われている間も通常通りに営業を続けることが可能で、解約予告期間中の賃料を削減できるメリットもあります。
デメリット
- ・店舗の立地や評判が売却価格に影響しやすい
- ・スタッフに売却計画を知られる可能性がある
- ・契約条件や設備の状態によってはトラブルになりやすい
居抜き売却では、店舗の立地や評判が買い手の判断に直結するため、条件によっては売却価格が下がることがあります。また、早い段階で閉店計画がスタッフに伝わってしまうと、働くモチベーションが低下し、人材流出につながることも懸念されます。
M&A(事業譲渡/株式譲渡)
M&Aとは「合併(Mergers)と買収(Acquisitions)」を意味し、主な手法に「事業譲渡」や「株式譲渡」があります。居抜き売却は設備や内装だけを譲渡するのに対し、M&Aは事業や会社そのものを引き継ぐ形で、事業ノウハウや従業員などの無形資産も含めて包括的に譲渡できるのが特徴です。
· 事業譲渡:事業の一部または全部を第三者に譲渡する方法
· 株式譲渡:保有株式を第三者に譲渡し、経営権を移転させる方法
M&Aのメリット・デメリットは次のとおりです。
メリット
- ・高額売却が期待できる
- ・スタッフの雇用を守れる
- ・取引先との関係を維持できる
- ・後継者問題が解消する
M&Aでは事業全体を引き継ぐため、従業員や取引先との関係を保ちながら、将来の収益力まで含めて評価されます。後継者不足を理由に撤退を検討している場合も、事業や会社を次のオーナーに引き継ぐM&Aが有力な選択肢となるでしょう。
デメリット
- ・譲渡までに時間がかかる
- ・買い手が限定される
- ・顧客や取引先との関係が悪化する可能性がある
M&Aは事前調査や契約交渉に時間を要し、居抜き物件と比べて買い手も限定されやすい点がデメリットとなります。また、経営方針や取引条件の見直し、ブランドイメージの変化などにより、顧客や取引先との信頼関係が損なわれる可能性があります。
飲食店売却の相場価格

-
飲食店を売却する際、どのくらいの価格で売れるのかは気になるポイントです。ここでは、居抜き売却とM&Aの相場感を紹介し、売却価格の目安や算出方法をわかりやすく解説します。
居抜き売却の相場価格
居抜き売却の相場価格は、20坪程度の小規模な店舗で50〜150万円程度(東京都内)といわれています。ただし、実際には店舗規模や設備の状態、立地条件などさまざまな要素によって変動するため、あくまで一般的な目安として考えてください。
また、売却価格の目安として、「坪単価」(1坪あたりの月額家賃)の60〜100倍を参考にする方法もあります。例えば、25坪の店舗で月額家賃が45万円の場合、1坪当たりの単価は1.8万円です。これの60〜100倍と考えると、売却価格の目安はおよそ108万〜180万円となります。
M&Aの相場価格
M&Aでの飲食店売却では、有形資産・無形資産を含めて事業や会社全体の価値が評価されます。明確な相場はありませんが、一般的には「時価純資産+営業利益の2〜5年分」が目安となります。
例えば、時価純資産が800万円、年間営業利益が300万円の場合、M&Aによる売却価格は以下のように試算できます。
計算例
【最小ケース(営業利益×2年)】
800万円 + 300万円 × 2
= 800万円 + 600万円 = 1,400万円
【最大ケース(営業利益×5年)】
800万円 + 300万円 × 5
= 800万円 + 1,500万円 = 2,300万円
このケースでは、1,400〜2,300万円ほどが相場となります。
今後の収益性が反映される分、居抜き売却よりも高額になる傾向がありますが、最終的な価格はデューデリジェンス(対象企業の価値やリスクを事前に調査するプロセス)の結果や契約交渉によって決まります。
売却価格に影響を与える要素
飲食店の売却価格は、設備や内装以外にもさまざま要素が影響します。
相場を左右する主なポイントは次のとおりです。
- ・立地:駅前や商業施設の近くなど、買い手のニーズが大きいエリア
- ・店舗の規模:面積や席数が適切で、効率的に運営できる店舗
- ・店舗の状態:内装や設備の状態が良好で、清潔感のある店舗
- ・売上・利益の実績:安定した収益を得ている店舗
- ・ブランド力:地域での認知度や評判、口コミ評価など
これらの要素は事前に改善できる部分も多いため、店舗の現状を見直しつつ、必要な準備をしておくとよいでしょう。取り組み次第では買い手からの評価が高まり、売却価格をより有利に設定できる可能性があります。
閉店・廃業時に必要な手続き
飲食店を閉店・廃業する際には、関係者への通知や行政手続きまで、さまざまな対応が必要となります。これを怠ると、後々トラブルや余計な費用が発生することがあるため、早いうちから手続きを整理して計画的に進めましょう。
下記は閉店・廃業時に行う手続きの一例です。
閉店・廃業前の準備
- ・スタッフへの解雇通知
- ・不動産会社への解約通知
- ・取引先への通知
- ・各種契約の解約手続き
閉店・廃業後の対応
- ・店舗の原状回復工事
- ・設備の撤去・返却
- ・税務署や保健所への届出
なお、売却や譲渡を選択する場合は不要となる手続きも多く、閉店に伴う手間や費用を減らしながらスムーズに事業を引き渡すことができます。
飲食店の閉店・廃業時に必要な届出については下表を参考にしてください。
閉店・廃業に伴う手続き(一例)
提出期限
届出書(提出先)
廃業日から5日以内
健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届(年金事務所)
健康保険・厚生年金保険被保険者喪失届(年金事務所)
廃業日から10日以内
廃業届/食品営業許可証の返還(保健所)
事業開始(廃止)等申告書(都道府県税事務所)
廃業日翌日から10日以内
雇用保険適用事業所廃止届(公共職業安定所)
雇用保険被保険者資格喪失届(公共職業安定所)
雇用保険被保険者離職証明書(公共職業安定所)
廃業日から1カ月以内
個人事業の開業・廃業等届出書(税務署)
給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書(税務署)
廃業日翌日から50日以内
労働保険確定保険料申告書(労働基準監督署)
廃業後速やかに(※)
消費税の事業廃止届出書(税務署)
防火管理者選任(解任)届出書(消防署)
※法的期限はないものの、遅滞なく速やかに届け出る必要がある
飲食店の閉店・廃業手続きについては以下の記事でも詳しく解説しています。
関連記事:「店をたたむ」と決断したら|飲食店オーナーが知っておくべき手続きの流れと再出発の選択肢
飲食店を売却するときの注意点
飲食店売却にあたって押さえておくべきポイントを解説します。対応を誤るとトラブルにつながる恐れがあるため、売却時の注意点を事前に把握しておきましょう。
売却できるもの・できないもの
居抜き売却の場合、どこまでが売却の対象となるのかを明確にしておくことが重要です。基本的には、売り手に所有権がある厨房設備や什器、家具、内装などは売却対象となります。一方で、食材や調味料などの消耗品は衛生管理の観点から譲渡できず、事前に処分しておく必要があります。
また、リース契約で利用している機器類も売却対象外です。これらは契約上リース会社に所有権があるため、売り手が勝手に売却することはできません。ただし、買い手がリース契約を引き継ぐ形で調整できるケースもあります。
居抜き物件の「原状回復義務」
原則として、賃貸借契約には「退去時に原状回復を行う」義務が定められています。ただし、居抜きで退去する場合は旧貸借人(売り手)の原状回復義務が免除され、新貸借人(買い手)がこの義務を負うことになるのが一般的です。
とはいえ、居抜き物件では「原状」がどの状態を指すのかがわかりにくく、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。これを防ぐには、契約書に「退去予定者は原状回復義務が免除される」旨を明記し、内装や設備の引き渡し範囲についても事前に細かく取り決めておくのが望ましいでしょう。
営業許可・賃貸借契約
居抜き売却や事業譲渡の場合、飲食店の営業許可は譲渡できず、原則として買い手による再取得が必要です。一方、株式譲渡であれば法人自体は存続するため、営業許可はそのまま継続されます。
また、賃貸借契約に関しては「譲渡禁止条項」が盛り込まれているケースも多く、貸主の承諾がなければ引き継げない可能性があります。そのため、売却や譲渡を検討する際には、事前に貸主の許可を得ておくことが不可欠です。
飲食店売却をお考えの方に

-
事業撤退を考えるとき、その手段は売却や譲渡だけではありません。経験豊富なパートナーに店舗運営を委託し、事業を継続していく選択肢もあります。「お店は維持したいが、自分で運営するのは難しい」と感じている経営者にとって、業務委託による第三者への引き継ぎは有効な選択肢となるでしょう。
飲食店が業務委託を結ぶメリット
-
飲食店が業務委託をする場合、スタッフの採用・育成コストがかからず、経験者のノウハウをすぐに活用できるメリットがあります。将来的に売却や譲渡を考えている場合でも、事業を継続すれば安定した収益が得られるため、判断を焦らず適切なタイミングを見極めることができます。
飲食店の業務委託については以下の記事でも詳しく解説しています。
店舗運営を委託するなら「店タク」
店タクは、「お店を任せたい人」と「お店を持ちたい人」を業務委託という仕組みでつなぐマッチングサービスです。人手不足や売上低迷など、飲食店オーナーが抱える店舗運営の悩みは「独立志向の強い職人と組む」ことで解決できます。
店タクは「任せたい」「挑戦したい」という明確な意志を持った方が利用しています。運営委託に興味のある経営者の方は以下のサービスサイトをぜひご覧ください。
まとめ
飲食店を売却する方法には、主に「居抜き売却」と「M&A(事業譲渡/株式譲渡)」があります。居抜きは設備や内装を残したまま引き渡すため、コストを抑えながら短期間で譲渡できるのが特徴です。一方、M&Aは事業や法人ごと引き継ぐため、売却価格が高くなりやすく、スタッフや取引先との関係を維持しやすいメリットがあります。
また、売却や譲渡だけでなく、信頼できる人材に店舗運営を委託するのも一つの方法です。それぞれの特徴や注意点を理解したうえで、オーナーの希望や自店の状況に合う最適な方法を選択することが大切です。
店タクは、飲食店オーナーが抱える店舗運営の悩みを「職人と組む」ことで解決するサービスです。売却や譲渡を決断する前に、信頼できる第三者に“店舗運営を委託する”という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか。
-
飲食店の運営
飲食店の平均売上は?業種別のデータや計算方法、売上低迷時の改善策を詳しく解説

飲食店は競争が激しい業界であり、安定した経営を続けるには売上予測を立てることが重要です。実際の売上が予測を下回る場合はその原因を探り、早急に対策を講じる必要があります。まずは「自店の売上はいくらか」「どのくらいの売上が必要か」を把握することから始めましょう。
この記事では、飲食店の平均売上や計算方法とともに、売上が低迷する原因とその改善策について詳しく解説します。自店の状況と照らし合わせながら、必要な改善の方向性を考えてみてください。
【業種別】飲食店の平均売上
日本政策金融公庫のデータをもとに、飲食店の平均売上(従業員1人当たりの売上高)を下表にまとめました。この表では一般飲食店を「食堂/レストラン」「そば・うどん店」「すし店」「喫茶店」「その他の一般飲食店」の5業種に分類し、それぞれの業種の平均売上をまとめています。
業種
従業者1人当たり売上高
食堂/レストラン
926万円
そば・うどん店
759万円
すし店
1,007万円
喫茶店
876万円
その他の一般飲食店
1,039万円
※千円未満切り上げ
また、同データにおける一般飲食店(上記5業種)の平均売上は「923万円」となっています。上表のとおり業種によって多少異なるものの、一般的な飲食店の平均売上は年間で「900万円強」(従業員1人当たり)といえそうです。
例えば、1〜2人体制で経営する個人飲食店であれば、年間で1,000〜2,000万円ほどの売上が目安となるでしょう。この場合の「1日・月・年間」の平均売上を下表にまとめましたので、それぞれどのくらいの売上が必要となるのか参考にしてみてください。
【個人飲食店の売上目安】
1日の平均売上
2.7〜5.5万円
月の平均売上
83〜167万円
年間の平均売上
1,000〜2,000万円
店舗規模や立地による売上の違い
飲食店の平均売上は「年間900万円強」と説明しましたが、これはあくまで統計上の数値にすぎません。実際の店舗売上は、業種や規模、立地条件など、さまざまな要素によって大きく変動します。あくまで一つの目安と捉え、自店の状況に合わせた判断が必要です。
次項では、飲食店の平均売上をどのように算出するのか、その計算方法を解説します。実際のケースを想定し、自店の目安となる平均売上を計算してみましょう。
飲食店における平均売上の計算方法

-
ここでは、目安となる平均売上(売上予測)の計算方法を解説します。実際の店舗経営において売上は日ごとに変動しますが、まずは基本となる計算方法を押さえておきましょう。
売上の計算式
飲食店の1日当たりの売上は次の計算式で算出できます。
売上 = 客単価 × 席数 × 回転数
売上は「客単価」「席数」「回転数」の掛け合わせとなるため、客単価が高くても席数や回転数が少なければ売上は伸びにくく、反対に客単価が低くても席数や回転数が多ければ売上アップにつながりやすくなります。
月間売上のシミュレーション
水曜定休のレストラン(ランチ/ディナー営業)を想定し、1か月の売上金額をシミュレーションしました。自店の状況に当てはめて算出すれば、現状の月間売上を、客単価や回転数を調整することで目安となる平均売上を把握できます。
区分
1日の売上
営業日数
月間売上
昼(月〜金)
900円 × 20席 × 0.6回転 = 10,800円
16日
172,800円
昼(土日)
1,000円 × 20席 × 0.8回転 = 16,000円
8日
128,000円
夜(月〜木)
3,000円 × 20席 × 0.8回転 = 48,000円
12日
576,000円
夜(金〜日)
4,000円 × 20席 × 1.0回転 = 80,000円
12日
960,000円
合計
1,836,800円
売上を伸ばすために必要な3つの視点
飲食店が売上を伸ばすためには、「客数」「客単価」「リピーター」の3つの視点から、日々の運営や戦略を見直していくことが重要です。単に売上目標を設定するだけではなく、要素ごとに具体的な施策をバランスよく講じることが、継続的に安定した売上を確保するための鍵となります。
ここでは、飲食店が重視すべき3つの視点について詳しく解説します。
客数を増やす
売上を伸ばすうえで基本となるのが「客数」を増やす施策です。飲食店が新規顧客を呼び込むためには、消費者からの認知度を高める施策が必要です。SNSを使った情報発信や近隣へのチラシ配布、イベント出店など、オンライン・オフライン両方の集客施策を行い、お店の強みや魅力を積極的にアピールしましょう。
また、一度来店したことのある既存顧客に対し、次の来店を促すことも重要です。新規顧客だけに注力せず、既存顧客をターゲットとした集客施策もあわせて行い、売上の安定化を目指しましょう。
客単価を上げる
飲食店が売上を伸ばすには、客単価を上げる施策も欠かせません。同じ客数であっても、客単価が上がれば売上も伸びるため、一人当たりの支出を増やす工夫が必要です。
客単価アップにつながる施策には以下のようなものがあります。
- ・メニュー価格を値上げする
- ・注文に関連したセットメニューを提案する
- ・特別なコースへのグレードアップを促す
- ・高価格帯のメニューを取り入れる
重要なのは、売上と同時に顧客満足度も高めることです。単なる値上げや押し付けではなく、「顧客に価値を感じてもらえる提案」を行い、自然な形で客単価を上げることが大切です。
リピーターを育てる
飲食店経営を継続するうえで、一時的な売上増加では意味がありません。売上を安定させるには、自店のメニューやサービスに好感を持ち、繰り返し来店してくれる「リピーター」の育成が不可欠です。
具体的な施策としては、既存顧客を対象とした特典やポイントカードの導入、期間限定クーポンの発行などが考えられます。スタッフが名前を覚えて声をかけたり、好みに合ったメニューを提案したりするのも効果的です。顧客に「また行きたい」と思ってもらえるよう、接客の質や店舗の体験価値を高める工夫を行いましょう。
飲食店が平均売上を下回るときの原因と改善策

-
飲食店の売上が平均を下回る場合、主な原因としては「集客不足」「客離れ」「経費の高騰」が考えられます。「売上がなかなか伸びない」「一時的に上がってもすぐに落ちてしまう」などの課題がある場合は、これら3つの観点から売上低迷の原因を特定し、具体的な改善策を講じることが重要です。
-
【集客不足】顧客の来店動機をつくる
-
集客不足を改善するためには、お客様が店舗に来店する動機をつくることが大切です。多くの選択肢があるなかで、「あのお店に行きたい」と思ってもらうには、魅力的なメニュー開発や期間限定のキャンペーンなど、顧客の来店動機となる施策を打ち出していく必要があります。
また、InstagramやLINE公式アカウントを通じて定期的に情報を発信したり、Googleビジネスプロフィールの内容をアップデートしたりと、オンライン上での店舗の存在感を高める施策も効果的です。これらの施策を通じて“来店のきっかけ”を増やすことが、安定した集客基盤の構築につながります。
【客離れ】QSC(品質・サービス・清潔さ)改善で再来店を促す
QSCは飲食店が重視すべき基本的な要素であり、「Quality(品質)」「Service(サービス)」「Cleanliness(清潔さ)」の頭文字を取っています。これらは顧客満足度に大きく影響し、リピーターを育てるうえでも欠かせない要素です。一度きりの来店で終わってしまうことが多く、なかなか再来店につながらない場合は、以下のような施策を取り入れてQSCの改善・向上を目指しましょう。
Quality(品質)を高める施策
- ・旬の食材や地域の特産品を使ったメニューを開発する
- ・料理の味や盛り付けを安定させる
- ・レシピや調理手順を標準化する
Service(サービス)を高める施策
- ・ベテランスタッフによるOJTで接客の質を向上させる
- ・キャッシュレス決済やオンライン予約システムを導入する
- ・オペレーションの見直し・改善を行う
Cleanliness(清潔さ)を高める施策
- ・店内の清掃を徹底する
- ・食品・食器の衛生管理を徹底する
- ・清掃・消毒のタイミングを記録する
【経費の高騰】適正な原価管理や人員配置でコストを抑える
原材料費や人件費などの経費の高騰は、飲食店の利益を大きく圧迫する要因となっています。これに対応するためには、仕入れ先の見直しや適切な価格設定、人員配置の最適化、ツール導入による業務効率化などに取り組み、コストを抑えながらも料理やサービスの品質を維持することが大切です。従来の価格を続けるよりも、状況に応じた価格調整やコスト管理を行い、無理なく利益を確保することを目指しましょう。
以下の記事でも飲食店が売上を上げる方法について詳しく解説していますので、自店に必要な施策を考えるときの参考にしてください。
関連記事:売上を上げる方法とは?飲食店が取り組むべき施策と売上アップの原則を徹底解説
「施策を講じてもなかなか売上につながらない」
「売上が伸びても一時的で、すぐに客足が途絶えてしまう」
──このようなお悩みがあれば、店タクで経験豊富なパートナーに店舗運営を任せる選択肢もぜひ検討してみてください。店タクなら、エリア・業態・売上目安などから、あなたの条件にマッチするベストパートナーを見つけることができます。
飲食店経営における「売上以外」の重要指標
飲食店経営においては、売上以外にも重視すべき指標がいくつかあります。
ここでは、飲食店オーナーが特に把握しておくべき「FL比率」「営業利益率」「損益分岐点売上高」について解説します。
FL比率
FL比率とは、売上に対する「食材費」と「人件費」の割合のことです。
一般的な飲食店のFL比率は60%程度といわれており、この値が高いほど利益は圧迫され、低いほど経営に余裕が生まれることになります。飲食店が利益率を高めるためには、売上に対してどのくらいFLコストがかかっているかを把握し、適切なコスト管理を行うことが重要です。
FL比率を算出する計算式は次のとおりです。
FL比率 =(食材費 + 人件費)÷ 売上高 × 100
営業利益率
営業利益とは、粗利益から営業活動にかかる経費を差し引いた利益のことです。
売上に対する営業利益の割合を「営業利益率」といい、店舗の収益性を測る指標として活用できます。
営業利益率を算出する計算式は次のとおりです。
営業利益率 (%) = (営業利益 ÷ 売上高) × 100
損益分岐点売上高
損益分岐点とは、売上と経費が同額で、利益がちょうどゼロになる売上高のことです。
これを算出することで売上が経費を上回る(=黒字になる)水準がわかり、店舗経営の健全性を測る指標として活用できます。
損益分岐点売上高を算出する計算式は次のとおりです。
損益分岐点売上高 = 固定費 ÷(1 − 変動費率)
(※変動費率 = 変動費 ÷ 売上高)
飲食店の利益率や損益分岐点については以下の記事でも詳しく解説し、実際の数値を用いたシミュレーションを行っています。本記事とあわせて参考にしてください。
関連記事:飲食店の利益率とは?計算方法・低い原因・改善策をまとめて解説
まとめ
一般的な飲食店の平均売上は、従業員1人あたり「年間900万円強」とされています。ただし、この数値はすべての店舗に当てはまるものではなく、業種や店舗規模、立地条件などによって大きく変動します。あくまで目安として捉え、自店の状況に基づいた売上予測を算出することが大切です。
そして、実際の売上が予測を下回っている場合には、集客施策やサービス内容、コスト構造などを見直し、早めに改善策を講じる必要があります。短期的な売上回復だけにとらわれず、長期的な安定経営を見据えることが重要です。
店タクは飲食店オーナーが抱える店舗運営の悩みを「職人と組む」ことで解決するサービスです。売上低迷や人材不足にお悩みなら、腕のある職人に店舗運営を委託することも有効な選択肢となります。
-
-
飲食店の運営
「店をたたむ」と決断したら|飲食店オーナーが知っておくべき手続きの流れと再出発の選択肢

飲食店経営は売上の波が大きく、時には「店をたたむ」という決断が必要になることもあります。計画的に閉店作業を進め、次の挑戦へつなげるためには、必要な手続きの内容や流れをあらかじめ把握しておくことが大切です。
この記事では、飲食店をたたむ際の手続きや閉店にかかる費用、再出発の選択肢について解説します。具体的なステップや注意点を理解することで、不要なやりとりやトラブルを防ぎ、余裕を持って次なる一歩を踏み出すことができます。
「店をたたむ」前に知るべきサイン

-
飲食店経営を続けるなかで、撤退を検討すべきサインはいくつか存在します。閉店・廃業する飲食店にはどのような兆候があるのか、ここでは「店をたたむ」前に知るべき4つのサインを紹介します。
看板メニューの売上が落ちている
集客の柱ともいえる「看板メニュー」の売上が落ちている場合、お店の魅力や強みが薄れ、集客力が低下しているサインといえます。これまで人気だった看板メニューの売れ行きが悪くなるのは、味や品質の劣化、顧客ニーズやトレンドの変化、競合店の登場などさまざまな要因が考えられます。
全体の売上が許容範囲にあるなら、すぐに「店をたたむ」決断に直結することはないかもしれません。しかし、そのまま放置するといずれは他のメニューにも悪影響が及ぶおそれがあるため、メニューの改良や販促強化といった対策を早急に打ち出す必要があります。
赤字が慢性化している
数か月にわたり赤字が続いている場合は、店舗を維持するための運転資金が急速に枯渇し、いずれは「店をたたむ」決断を余儀なくされるでしょう。無理に営業を続けることは経営リスクを増大させ、資金不足による支払遅延やトラブルの発生など、深刻な問題を引き起こすおそれがあります。
まずは原価管理やメニュー改定、固定費の見直しなどで改善の余地があるのか検討し、それでも黒字化の兆しが見えない場合には早めに撤退を判断するほうが、その後の再出発の可能性が広がっていくと考えられます。資金不足はスタッフや取引先へ与える影響が大きいため、早めに現状を把握し、撤退も視野に入れた判断を下すことが重要です。
店内の清掃が行き届いていない
-
QSC(品質・サービス・清潔さ)は、飲食店が重視すべき基本的な要素です。清掃が十分に行き届いていない状態は、見た目の印象や顧客からの信頼を損なうだけでなく、経営者やスタッフのモチベーション低下を映し出すサインともいえます。
忙しさで掃除が後回しになっていることも考えられますが、そのまま放置すれば店内の雰囲気は確実に悪化します。清潔感のない店舗は顧客からのクレームに直結しやすく、ネガティブな口コミが広がれば新規顧客の来店が減少し、いずれは常連客の離脱も招くことになるでしょう。
-
常連客が離れている
-
安定した売上の基盤となる「常連客」が離れるのは、顧客ニーズとのズレが進行しているサインであり、改善しなければ「店をたたむ」判断が現実味を帯びてくるでしょう。常連客は不満があってもすぐに店を離れるのではなく、具体的な要望や改善点を伝えてくれることが多いため、その声を“改善のヒント”として真摯に受け止めることが大切です。
ただし、立地や周辺環境の変化などに起因し、客層が入れ替わっていることも考えられます。この場合は新しいターゲット層に合わせたメニュー開発や情報発信を行うことで、売上を維持・回復できる可能性があります。
「いつ閉めるか」が再出発のカギ−適切なタイミングとは?
再出発を成功させるためには、次の挑戦への余力を残すことが重要です。あらかじめ撤退ライン(=損切りライン)を決めておくと、売上や利益が一定水準を下回った時点で「撤退するか否か」を客観的に判断できます。閉店・廃業するにも費用がかかるため、その資金を確保できる段階で撤退を決めるのが望ましいでしょう。
また、体力や気力が十分にあるうちに判断することで、閉店後も冷静に次の挑戦に取り組む余裕が生まれます。再出発をスムーズに進めるためにも、損失を最小限に抑えられるタイミングを見極めることが大切です。
店タクは飲食店オーナーが抱える店舗運営の悩みを「職人と組む」ことで解決するサービスです。「店をたたむ」と決断する前に、業務委託でつながる「新しい店舗運営」を検討してみませんか。
店をたたむときの手続きと閉店費用

-
飲食店を閉めるときには多くの手続きを伴い、閉店にかかる費用を事前に用意しておく必要があります。ここでは、店をたたむときの準備と手続きの流れ、閉店費用について解説します。
-
店をたたむ前にするべき準備
-
店をたたむ前には、関係各所への通知や手続きを計画的に行うことが重要です。
- ・スタッフへの解雇通知
- ・不動産会社への解約通知
- ・仕入れ先やリース業者など取引先への通知
- ・電気・水道・ガス・インターネットなどの解約手続き(最終使用日の調整)
- ・顧客への告知
特に注意すべきはスタッフへの対応です。使用者が労働者を解雇する場合には、少なくとも30日前に解雇を予告する必要があります(労働基準法第20条より)。これを怠り、解雇の予告を行わない場合には、30日以上分の平均賃金を「解雇予告手当」として支給しなければなりません。また、解雇予告の日数が30日に満たない場合も、その不足日数分の平均賃金を支払う必要があります。
店をたたむときの手続きの流れ
閉店・廃業当日以降は、店舗の原状回復や設備の撤去・返却を行うほか、さまざまな行政手続きが必要となります。それぞれ提出期限が決められているため、事前に内容を確認し計画的に進めていくことが大切です。
- 閉店・廃業に伴う手続き(一例)
提出期限
届出書(提出先)
廃業日から5日以内
健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届(年金事務所)
健康保険・厚生年金保険被保険者喪失届(年金事務所)
廃業日から10日以内
廃業届/食品営業許可証の返還(保健所)
事業開始(廃止)等申告書(都道府県税事務所)
廃業日翌日から10日以内
雇用保険適用事業所廃止届(公共職業安定所)
雇用保険被保険者資格喪失届(公共職業安定所)
雇用保険被保険者離職証明書(公共職業安定所)
廃業日から1か月以内
個人事業の開業・廃業等届出書(税務署)
給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書(税務署)
廃業日翌日から50日以内
労働保険確定保険料申告書(労働基準監督署)
廃業後速やかに(※)
消費税の事業廃止届出書(税務署)
防火管理者選任(解任)届出書(消防署)
※法的期限はないものの、遅滞なく速やかに届け出る必要がある
閉店にかかる費用
閉店・廃業時にかかる主な費用は次のとおりです。
- ・原状回復費
- ・退去までの家賃
- ・リースの残額料金
- ・廃棄処分費
- ・後払いの経費や借入金の返済
- ・解雇予告手当(必要な場合)
これらの費用は閉店に伴って発生するため、あらかじめ資金を確保しておくことが重要です。保証金が返還される場合は実質的にプラスになることもありますが、物件を明け渡したあとに返ってくるお金であるため、当面必要となる費用は自己資金で賄えるよう準備しておきましょう。
【飲食店向け】再出発の選択肢とその手順
「店をたたむ」ことを決断しても、すぐに完全撤退するのではなく、店舗や事業を活かしながら再出発を目指す方法もあります。その代表的な選択肢として挙げられるのが「業態転換」と「運営委託」です。
再出発の選択肢①:業態転換
業態転換とは、より収益性や需要のある形態に切り替える方法です。市場ニーズに合わせた新しい業態に挑戦することで、既存の店舗資産や経営ノウハウを活かしながら新しい顧客層を取り込み、経営改善につなげられる可能性があります。
飲食店における業態転換の基本的な手順は次のとおりです。
- 1.市場調査と現状分析
- 2.コンセプト・事業計画の策定
- 3.オペレーションの設計
- 4.実行・評価
これらのステップを踏むことで、感覚的な判断ではなく、データや計画に基づいた転換が可能になります。新業態を安定させるためには、リリース後も定期的に評価し、必要に応じて改善を重ねることが大切です。
再出発の選択肢②:運営委託
運営委託とは、自らは運営から退き、信頼できる第三者に店舗運営を任せる方法です。「店は残したいが、自分で運営するのが難しい」と感じている経営者にとって有効な選択肢となります。
飲食店における運営委託の基本的な手順は次のとおりです。
- 1.委託先の選定
- 2.契約内容の取り決め(必要に応じて内見・打ち合わせを実施)
- 3.業務委託契約の締結
- 4.運営開始と定期的なフォロー・評価
運営委託では、信頼できる委託先を選定し、双方合意のもとで報酬や営業ルールを取り決めるのが一般的です。飲食店の業務委託については以下の記事で詳しく解説していますので、運営委託を検討する際の参考にしてください。
関連記事:飲食店が業務委託をするメリット・デメリットとは?雇用契約との違いを詳しく解説
まとめ
飲食店の閉店・廃業には、関係各所への届出やスタッフへの告知、原状回復工事などさまざまな手続きを伴います。再出発を目指す場合は、体力や気力、資金が残っているうちに「店をたたむ」決断を下すことが重要です。
また、完全にお店を閉じる前に、業態転換や運営委託で再挑戦する選択肢も考えられます。既存の店舗やノウハウを活かしつつ、新しい市場や顧客ニーズに柔軟に対応することで、事業を継続できる可能性が高まるでしょう。どの方法を選ぶにせよ、閉店の決断も戦略の一つと捉え、次の挑戦に向けて前向きに行動することが大切です。
店タクでは「店舗運営を任せたいオーナー」と「腕のある職人」とのマッチングを支援しています。自分で経営を続けるのは難しいと感じている場合は、信頼できる職人に店舗運営を委ねるという選択肢もあります。
-
-
飲食店の運営
飲食店経営を成功させるには?失敗から学ぶ黒字経営のポイントを徹底解説

他業種と比べて飲食店は廃業率が高く、開業しても短期間で閉店に至るケースが少なくありません。理由としては、資金繰りの悪化やスタッフの短期離職、集客施策の失敗など、さまざまな経営上の課題が影響しています。黒字経営を目指すには、飲食店にありがちな失敗の原因を把握し、それを防ぐための具体的な対策を講じることが重要です。
この記事では、開業前の準備から効果的な集客戦略まで、飲食店経営を成功させるためのヒントを幅広く紹介します。失敗しやすいポイントへの対策を行い、長く続けられる経営基盤を築きましょう。
飲食店経営でよくある失敗とその原因
飲食店経営がうまくいかない要因として以下の点が挙げられます。
- ・曖昧なコンセプト設計
- ・運転資金の不足
- ・人手が足りない
- ・サービスの質が悪い
- ・集客施策が足りない
飲食店が失敗するのは必ず原因があります。安定した経営を行うためには、上記の観点から失敗の原因を探り、どこに経営上のリスクが潜んでいるのかを把握することが大切です。
曖昧なコンセプト設計
飲食店を始める第一歩となるのが「明確なコンセプト設計」です。コンセプトが曖昧なまま開業しても、誰に/どのような価値を提供する店かが不明確で、顧客に選ばれにくい存在となってしまいます。特に飲食業界は競争が激しいため、コンセプトが定まっていないお店は競合に埋もれやすく、存在感を発揮することはできません。逆に言えば、コンセプトが明確な店舗は競合との差別化につながり、顧客の印象に残りやすくなります。
運転資金の不足
飲食店経営には多くの資金が必要で、特に初期費用は高額になりがちです。しかし、初期費用を準備できたとしても、それだけで安心することはできません。運転資金を十分に確保できていなければ、開業後の仕入れや人件費、家賃の支払いが滞り、数か月で資金が尽きてしまう可能性があるからです。開業してもすぐに軌道に乗るとは限らないため、黒字化までの期間を見据えて十分な運転資金を確保しておく必要があります。
人手が足りない
-
飲食業界は人手不足に陥りやすく、スタッフが足りないことでサービスや営業に支障をきたすおそれがあります。人手不足が慢性化すると、顧客に十分なサービスを提供できず、顧客離れが起きやすくなります。さらに、営業時間の短縮や休業を余儀なくされ、事業の継続が危うくなるケースも少なくありません。
採用競争が激化する現代においては、新たな雇用による人材確保だけに注力せず、既存のスタッフが働きやすい環境を整えることも重要です。人手不足の要因や解決策については以下の記事でも詳しく解説していますので、本記事とあわせて参考にしてみてください。
-
サービスの質が悪い
-
飲食店経営が失敗する原因として、顧客に提供するサービスの質が悪いことも挙げられます。どれほど料理の味が良くても、無愛想な接客態度や清潔感のない店内、居心地の悪い空間では、お客様を満足させることはできません。
こうした問題の多くは、スタッフの教育・研修が不足していることや、十分な経験を積む前に短期間で現場に出してしまうことに起因します。サービスの質が不安定なままでは顧客離れが進み、リピーターの獲得や口コミによる集客にも悪影響を及ぼします。
集客施策が足りない
飲食店が売上を伸ばすためには、オンライン・オフラインを問わず、積極的な情報発信と顧客接点の確保が欠かせません。集客施策が不十分だと、料理やサービスの魅力が顧客に伝わらず、客足が安定しない状態が続いてしまいます。
また、一度きりの来店で終わってしまっては、収益の拡大を見込むことはできません。繰り返し来店してくれるリピーターは、安定した売上の基盤となる存在です。新規顧客の獲得だけに注力せず、既存顧客をリピーター化するための施策も同時に行っていくことが大切です。
飲食店を始める前にやるべき準備

-
飲食店経営を成功させるには、開業前の準備や仕組みづくりが欠かせません。準備不足で始めても失敗のリスクを高めてしまうため、以下の観点から事前にしっかりと計画を立てることが重要です。
- ・店舗のターゲットとコンセプトの設定
- ・メニュー開発と原価管理
- ・キャッシュフローの把握と資金調達
- ・スタッフの採用・育成
- ・SNSを通じた発信活動
これらの事前準備について以下で詳しく解説します。
-
店舗のターゲットとコンセプトの設定
-
飲食店経営で最初に取り組むべきは、店舗のターゲットとコンセプトの明確化です。誰に/どのような価値を届けるかを具体的に設定することで、お店が目指すべき方向性が定まり、料理や内装、サービスにも統一感が生まれます。
ターゲットとコンセプトがずれてしまうと、顧客に刺さらず競合に埋もれてしまうため、開業前に整合性を確認しておくことが重要です。例えば「ファミリー層」をターゲットとする場合、キッズメニューの用意や余裕のある座席配置など、親子連れが安心して過ごせる空間づくりが求められます。
メニュー開発と原価管理
安定した経営を続けるためには、魅力的なメニューを提供しつつ、利益を確保できる価格設定が不可欠です。原材料費や人件費、光熱費などの高騰が続くなか、従来の価格を維持できないケースが増えており、多くの飲食店がメニュー構成や価格の見直しを迫られています。
こうした状況で一つの指標となるのが「損益分岐点」です。赤字と黒字の境界が明確になると、収益を確保するためのメニュー構成や価格設定がしやすくなり、無理なく利益を出せる体制を構築できます。飲食店の利益率や損益分岐点については以下の記事でも詳しく解説していますので、価格設定に課題を感じている場合は参考にしてください。
関連記事:飲食店の利益率とは?計算方法・低い原因・改善策をまとめて解説
キャッシュフローの把握と資金調達
事業を始めるうえではキャッシュフローの把握が不可欠であり、飲食店経営においても例外ではありません。特に開業直後は売上が安定しないことも多いため、固定費・変動費を含めたお金の流れを正確に把握し、余裕を持った資金計画を立てることが重要です。
また、資金調達を行う場合には、詳細かつ説得力のある事業計画書を作り込む必要があります。事業計画書は融資を受ける際の重要な判断材料となるため、開業後の運営方針や収支予測などを整理し、現実的かつ実行可能な計画を示すことが求められます。
スタッフの採用・育成
店舗の顔となるスタッフを確保し、サービスの質を高めるための教育を行うことも重要な開業準備の一つです。スタッフの接客力は顧客満足度に大きく影響し、顧客にとってはリピートするか否かを決める動機にもなり得ます。マニュアルの整備やOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)による指導、現場を想定したロールプレイングなどを行い、一定水準のサービスを提供できる人材を育成しましょう。
加えて、スタッフが働きやすい環境づくりも同時に進めていく必要があります。無理のないシフト体制や業務効率化、評価制度などを整えることで、スタッフの負担を軽減するとともにやりがいを持って働ける環境をつくることができます。
SNSを通じた発信活動
InstagramやX(旧Twitter)などのSNSを駆使し、開業前から積極的な情報発信を行いましょう。料理の写真や店内の雰囲気、スタッフの紹介など、店舗の情報や魅力を継続的に発信することで、潜在的な顧客層にお店の存在を知ってもらうきっかけになります。
開業前であれば、「オープン記念の割引クーポン」や「フォロー&リポストでドリンク1杯無料」といったお得なキャンペーン情報を発信するのも効果的です。こうした施策で顧客の興味を引きつけ、まずは来店してもらうための動機をつくることが大切です。
経営を安定させるための集客戦略

飲食店経営を安定させるには、集客戦略を体系的に整え、新規顧客の獲得とリピーターの育成を同時に行うことが重要です。新規顧客と既存顧客、それぞれの層に向けたアプローチを取り入れ、バランスよく実施していきましょう。
飲食店においては以下のような集客施策が効果的です。
- ・Googleビジネスプロフィールを最適化する
- ・SNS(InstagramやLINE公式アカウント)を活用する
- ・QSC(品質・サービス・清潔さ)を意識する
- ・リピーター施策を強化する
Googleビジネスプロフィールを最適化する
Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップに表示されるビジネス情報を管理するツールです。店舗の営業時間や電話番号、住所などは最新の情報に更新し、常に正確に表示されるようにしましょう。さらに、料理の魅力や店内の雰囲気がわかる写真を掲載することで、検索ユーザーにお店の存在を効果的にアピールできます。
また、ネガティブな内容であっても、お客様から口コミが投稿された場合は丁寧に返信することが大切です。店舗側からの誠意のある対応は、不満を抱いたお客様の信頼を取り戻せるだけでなく、口コミを閲覧している他のユーザーにも真摯な姿勢を示すことができます。
SNS(InstagramやLINE公式アカウント)を活用する
SNSは開業後も継続的に活用し、新規顧客や既存顧客を呼び込むための情報発信を行いましょう。新規顧客向けにはInstagramを通じて視覚的な情報を届ける、既存顧客向けにはLINE公式アカウントを活用してイベントやキャンペーン情報を届けるなど、新規と既存でSNSを使い分けるのもおすすめです。
また、SNSはユーザーとの双方向のやりとりができるため、来店につながるコミュニケーションをとりやすいメリットがあります。店舗側からの一方的な発信にならないよう、コメントやDMへの返信は欠かさず行い、顧客との接点を維持することを心がけましょう。
QSC(品質・サービス・清潔さ)を意識する
QSCとは飲食店の基本となる概念であり、「Quality(品質)」「Service(サービス)」「Cleanliness(清潔さ)」の頭文字を取っています。これらの要素を高めることは顧客満足度の向上に直結し、飲食店経営を成功に導く重要な鍵となります。顧客が満足する体験を提供できれば、ポジティブな評価や次の来店につながりやすく、リピート率の向上に寄与します。
また、QSCの各要素はSNSや口コミサイトなどで拡散されやすく、その点でも常に高い水準を維持することが求められます。要素ごとにチェックシートを設けるなど、まずは自店におけるQSCの基準を可視化することから始めるとよいでしょう。
リピーター施策を強化する
飲食店経営において、安定した売上の基盤となるのが「リピーター」の存在です。自店に価値や魅力を感じ、何度も繰り返し来店してくれるリピーターを育てることで、経営の継続性を確保しやすくなります。
既存顧客に向けた集客施策としては、LINE公式アカウントやメールマガジンを活用し、誕生月やリピーター限定の特典、新メニュー・キャンペーン情報などを発信するのが効果的です。定期的な発信で顧客との接点を維持し、再来店の動機を戦略的につくりましょう。
このほかにも、飲食店が実施すべき集客施策はさまざまあります。飲食店向けの効果的な施策やアイデアは以下の記事に詳しくまとめていますので、本記事とあわせて参考にしてみてください。
関連記事:飲食店の集客方法12選!成功のポイントや面白いアイデアをまとめて紹介
「集客戦略がうまくいかない」
「お店に合う集客施策がわからない」
このようなお悩みがあれば、集客を手伝ってくれるパートナーを「店タク」で探してみませんか。エリア・業態・売上目安などから、お店の現状や条件にマッチするベストパートナーを見つけることができます。
【経営者向けQ&A】飲食店経営のよくある悩みと回答
最後に、飲食店経営のよくある課題と具体的な解決策をQ&A形式で解説します。
Q1. スタッフを定着させるにはどうすればいいですか?
「スタッフを雇ってもすぐに辞めてしまう」というのは、飲食店経営で非常によく聞かれる悩みの一つです。特に飲食業界は人手不足や長時間勤務が慢性化しやすく、労働環境の厳しさから短期間で離職してしまうケースが少なくありません。
スタッフに長く働いてもらうためには、採用の段階から定着を意識した仕組みづくりが必要です。適切なシフト管理や人員配置、システム導入による業務効率化、明確かつ透明性の高い評価制度、教育・研修機会の提供など、スタッフが安心して働ける環境を整えてから迎え入れるのが望ましいでしょう。働きやすい職場環境が構築されていれば、スタッフの定着率とともに接客の質も向上し、店舗全体の評価や信頼、来店頻度の増加にも寄与します。
Q2. 値上げによる客離れを防ぐにはどのような対策が必要ですか?
原材料費や人件費の高騰に伴い、メニュー価格の値上げに踏み切る飲食店が増えています。「値上げをすると客離れが進むのではないか」と不安になる経営者も多いかもしれませんが、適切な対策を講じていればそのリスクを最小限に抑えることができます。
まず、値上げをする場合は顧客に事前告知し、理由や背景を丁寧に伝えていくことが大切です。昨今の物価高では「値上げはある程度仕方ない」と理解してもらいやすいですが、だからといって何も告知せずに無言で値上げをする行為(=ステルス値上げ)は絶対に避けるべきです。加えて、食材のグレードアップや店内環境の改善、接客力の向上など、価格の上昇分に見合った付加価値の提供は、値上げに伴う客離れを防ぐことにつながります。
関連記事:値上げによる客離れを防ぐには?飲食店が実践すべき対策を徹底解説
まとめ
飲食店経営を成功に導くには、開業前にしっかりとプランを練っておくことが重要です。お店の方向性を明確に定めたうえで、メニュー開発や資金計画、スタッフ教育などの事前準備に取り組むことで、開業後のトラブルや失敗のリスクを最小限に抑えることができます。
また、開業後も継続的な集客戦略を実施し、売上を安定させることが求められます。そのためには、新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係維持やリピーターの育成にも注力する必要があります。多角的な施策を講じて集客を増やし、持続的な黒字経営を目指しましょう。
店タクは飲食店オーナーが抱える店舗運営の悩みを「職人と組む」ことで解決するサービスです。飲食店経営がうまくいかない場合は、経験豊富なパートナーに店舗運営を委託することも有効な選択肢となります。
飲食店運用のヒント